指しゃぶりはどうしたらいいの?

指をしゃぶる・吸うといった行為は、3歳くらいまでの子供では心理的な不安感を取り除くための自然な行為としてとらえられています。この時期は無理に止めさせる必要はありません。3歳以降になると親から離れてひとりで行動できるようになり、さらに行動範囲や興味が拡大する4歳以降では、不安解消目的の指しゃぶりは不用となって自然にやめることが多いようです。
しかし、4歳以降も指しゃぶりが習癖として続くことがあります。こうした場合には、子どもと保護者の関係を密に保つことで、子どもの心理的不安をやわらげ、歯並びへの影響などについても気長に言い聞かることにより徐々にやめさせるようにするとよいでしょう。
指しゃぶりへの対応
年齢 | 2〜3歳まで | 4〜5歳まで | 6歳〜 |
指しゃぶりの傾向 | 指をしゃぶる、吸うといった行動は、心理的な不安感を取り除くための自然な動作と考えられます。 | 社会性が発達することで多くの場合、消失していきます。 | 永久歯の萌出に伴い、悪影響が予想されます。 |
影響 | 歯列に殆ど影響はありません。 | 歯列に影響が出ることがあります。 | 不正咬合、発音障害、嚥下障害、口呼吸の原因となる可能性が高くなります。 |
対策 | 経過観察 | 歯科医師、歯科衛生士、保健師の指導 | 歯科医師の指導や治療 |
指しゃぶりの原因
乳幼児の自然な指しゃぶりが習慣化し、単なる癖として残ったという説や、子どもの不満・不安が現れたという説があります。これらの情満不安については、保護者のいらいら、威圧的な態度、溺愛による過保護などの育児態度が影響するといわれています。

指しゃぶりによる不正咬合の例
奥歯で噛んでも前歯が咬み合わない歯並び

参考文献 大野粛英、福光恭子:日本歯科医師会雑誌.Vol.56 No.5.2003
佐々木洋:咬合の育成をはかる−こんな問題に出会ったら 医歯薬出版,2003年
おしゃぶりの効用はあるのか?
最近、首から下げるヒモ付きのカラフルなおしゃぶりが「乳幼児の必須アイテム」として流行し、おしゃぶりを与える母親が多くなっています。
おしゃぶりはお口の周りの筋肉を鍛え、口呼吸の防止に有効な手段といわれてきましたが、明確な科学的根拠は示されていません。また、乳首の認知混乱が哺乳量・哺乳時間の減少をもたらすことから、母乳保育を阻害する要因と考えられユニセフ/WHOから排除勧告がなされています。
しかし、公共の場で泣き騒ぐわが子を抱きかかえたときの辛い思いは、どの保護者にも共通です。こんなとき、おしゃぶりで救われた経験もあることでしょう。おしゃぶりは子どもにとって必須な器具ではありませんが、子どもをすぐに落着かせたい場合だけの必要最低限の使用にとどめ、2歳になったらやめるタイミングを見つける方がよいでしょう。


おしゃぶりに関するトピック
〜赤ちゃんの突然死予防におしやぶりが有効〜 米小児科学会が勧告

原因不明の乳幼児突然死症候群の予防策として、赤ちゃんの寝かせ方はあおむけに限り、横向きも避け、両親と同じ部屋で別のベッドで寝かすべきだとしたほか、1歳になるまで就寝時におしゃぶりの使用が有効とする勧告を米小児科学会が発表しています。これは赤ちゃんが異常に深く眠るのを防ぐ効果があるという理由からですが、おしゃぶりを嫌がる赤ちゃんへの無理強いは禁物とも指摘しています。
【 ワシントン 共同通信】

抜歯後出血について

抜いた後出血が止まらない
うがいをするの時に吐いた水や唾液に少量の血が混じりますが、この程度では心配ありません。多量の出血があり、血がお口の中に溜まってしまうような場合には清潔な大きめのガーゼなどを折りたたんで厚くしたものを傷口に当て、20〜30分間噛み続けて下さい(圧迫止血といいます)。
圧迫止血をしても血が止まらない場合には、かかりつけの歯科医院へご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の治療
スリープスプリント

スリープスプリントとは
睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる歯科装具のことです。下あごを前方に突き出させるように工夫したマウスピースで、装着して眠ることにより気道が広がり、いびきや無呼吸が軽減されます。
歯科装具(スリープスプリント)の一例
(注意)お口の状態により装置の形状が異なる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群とは
・眠っている間に呼吸が止まる病気です
・鼻やのどが何らか理由で塞がってしまい、呼吸ができず窒息状態になります。
・症状は、激しく大きないびきです。そのいびきが10秒以上、時には60秒位消失し再度激しいいびきが出現、その繰り返しがみられます。
「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」に関するご相談は、かかりつけ歯科医院でも受けられます。
マウスガード
マウスガード
スポーツには ケガがつきものです。特に動きの早いスポーツ、接触の多いスポーツでは、 歯や顎(あご)、顔面領域のケガの発生率が高くなっています。
マウスガード(マウスピース、マウスプロテクター)は 口の中の保護装置で、外 力から顎・顔面領域への衝撃をやわらげ、歯の破折や、顎の骨折、口の中の軟組織のケガを防止するものです。また、脳しんとうの予防など、頭部脳神経組織を 保護する役割もあります。競技によっては噛み合わせが安定することによって競技能力が向上すると言われています。


マウスガード種類 | 特徴 |
カスタムメイドタイプ (歯科医院で作製する) | ・歯科医院で型どりして作製する。 ・適合が良く違和感が少ない。 ・かみ合わせやアゴのずれが少ない。 |
マウスフォームドタイプ (スポーツ用品店などで販売) | ・市販品を自分であわせる。 ・適合が悪くすぐはずれやすい。 ・かみ合わせやアゴのずれたものになりやすい。 |
カスタムメイドタイプのマウスガード作製に関しては、かかりつけ歯科医院にご相談ください。
もっと詳しく知りたい方は岐阜県スポーツ・健康づくり歯学協議会(GSHP)のホームページをご覧下さい。