歯のケガ

歯のケガの応急処置

歯のケガ
じめに

成長期の活力旺盛な児童・生徒にとって、歯をケガする危険性は非常に高くなっています。 予期せぬ事故が起こったとき、的確に応急処置をすることが歯へのダメージを最小限にとどめます。 そればかりでなく、顎の発育や歯列全体を正常に保ち、ひいては精神面の安定にもつながります。

歯科医院を受診する前に

次に挙げるような症状がある場合には、脳損傷の疑いがあります。できるだけ早く脳神経外科を受診して、その後に歯科を受診してください。

  1. 吐く
  2. 鼻血・鼻水が続く
  3. ふらつく
  4. 頭痛がする
  5. 目が見えにくい
  6. 記憶が欠けている
  7. 短時間でも意識がなかった
歯のケガの応急処置

1.歯が折れた・欠けた
歯の神経(歯膸)を守るために、1日以内に受診するのが最良です。 折れた破片は水に浸けて(牛乳に浸けないで、歯科医院に持って行ってください。
破片が見つからない場合でも代用材料で治療することができます。

2.歯がぐらつく
歯の位置がずれていたり揺れが大きい場合は、飲み込まないよう気をつけて、少なくとも3日以内に受診してください。

3.歯グキが剥がれる/唇が切れた/舌をかんだ
傷口を清潔なガーゼで軽く押さえて、できるだけ血を止めておきましょう。唇の腫れを防ぐためには、できるだけ早期に氷で冷やしてください(10分程度)。

4.歯が抜けた – 歯のケガのうち 緊急度No.1
早く植えなおしてもらうほど良く治ります。何はともあれ、抜けた歯を持って、出来るだけ早く歯科医院を受診してください。1時間以内の受診が最良です。抜けた歯は、歯と骨をつなぐ歯根膜という組織を生かすために、乾燥させないほど有利です。
冷たい牛乳があれば、抜けた歯を浸けてきてください(牛乳アレルギーがある場合は牛乳に浸けてはいけません)。1時間以内に受診できそうならラップなどに包んで乾燥を防いでもかまいません。
ただし、抜けた歯を水道水で洗ったり、浸けてはいけません!歯根膜が死滅します)

5.咬めない
歯根が折れている、ずれている、あるいは顎の骨折が考えられます。早く歯科医院を受診してください。

その他の注意事項

・受傷当日に受診できない場合には、栄養と休息を充分とり、食後は痛くないところを歯ミガキしましょう。うがい薬をほぐした綿棒に浸けて傷口を消毒し、うがいをして口腔内を清潔に保ちましょう。

・ケガの影響はあとででる可能性があります。歯の色が変わる、痛みがでる、歯肉が腫れる、膿がでる、乳歯のケガの後に生えた永久歯の歯の形がおかしい(乳歯のケガのあと)などの症状です。定期診査を最低1年は続けることが大切です。

・ケガを防ぐには、むし歯、歯並びをなおしておくこと、バランスのとれた食生活と肥満予防、日頃からの運動を心がけ、無理のない計画的なトレーニングを行うことが大切です。 激しいスポーツにはマウスガードを使用してください。ケガの繰り返しはかかりつけ歯科医または歯科校医にご相談ください。

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